個人が会社を買うことは可能?会社を買う意味や、相場、注意点、購入までの流れ等を徹底的に解説します!

 

「個人が会社を買う」と聞いて、皆さんはどのようなイメージを持つでしょうか?

 

「そんなこと出来るの?」

「会社が会社を買収するM&Aというのはよくニュースで見かけるが、個人には関係ない話なのでは?」

「個人が出せるような金額で買える会社なんて、実際にあるの?」

恐らく、経営者や企業売却/買収の経験がない場合、このようなリアクションになるのではないかと思います。

 

実際、この記事を書いている私自身も企業売買の経験をするまでは「個人が会社を買う」と言われてもいまいちピンと来なかった人間の1人です。

 

さて、結論から書いてしまうと、個人が会社を買うということは何も不思議なことでも珍しいことでもなく、個人による会社買収は日々日本の至る所で行われているのです。

それも年々、その件数は物凄いペースで増加しています。

 

会社売買は一部の人間によるもの、という考え方は、実はひと昔の話です。

数百万円から数千万円の買い物と言えば車か家だろうと思われがちですが、感の良い人たちは「会社」という買い物の価値に気付き始めています。

 

今回は、個人が会社を買うというのはどういうことなのか、会社を買うことにはどのようなメリットがあるのか、何に注意すべきかということを徹底的に解説したいと思います。

 

手元の資金を使って有意義な投資をしたいと考えている人にとって、会社という買い物がもたらす価値は計り知れません。是非参考にしてみて下さい。

 

個人が会社を買うメリット(不動産購入との比較)

さて、早速なのですが、個人が会社を買うと何が良いのでしょうか?

メリットと言っても、他の選択肢との比較で考えないと意味がありませんので、似たような価格帯の買い物である「不動産」と比べてみましょう。

 

不動産の購入はローンを組めるという魅力があるので会社購入と比較できないのではないかと考える方がいるかもしれませんが、会社の購入に関しても日本政策金融公庫の融資を活用することが出来ますので、不動産と同様に他者資本を活用して購入を行うことが可能です。

 

会社を買うメリット1:大きく収益を出せる可能性がある

さて、会社を購入するに当たっての最大の魅力はなんと言ってもその収益性のポテンシャルでしょう。

不動産を投資用に購入した場合の実質利回り(様々なコストを差し引いて残る実際の利回り)は、良くて4%程度というのが関の山ですが、会社の購入であれば投資額に対しての実質利回りとして30%以上を出すことも可能です。

 

サラリーマンをしながら不動産収入で脱サラするというのは実際には非常に困難(というか実質的に無理)ですが、会社の購入という形であればビジネスをある程度上手く回していくことで脱サラが十分に現実的な選択肢になってきます。

少しお小遣いが欲しい、というのでなく、本格的にお金を稼ぎたい、独立したいという考えを持っている方にとっては、不動産ではなく会社の購入が適しているということは確実に言えるでしょう。

 

会社を買うメリット2:自らの実力に応じて結果が正当に左右される

2つ目のメリットは、会社の購入は、買った後に自らの努力によって結果をコントロールすることができるというもの。

 

不動産投資において、物件を選んで購入した後にオーナーが出来ることというのは、実はほとんどありません。

貸しに出す際の賃料は相場が完全に決まってしまっているので努力によって20万円の賃料を22万円にすることは出来ませんし、マンション自体の価値もマクロ経済が決定していく話なのでキャピタルゲインを得るのかロスとなるのかも完全な運の世界です。

 

一方、会社というのはいくらでも新たな施策を打つことが出来ますので、買ってからの頑張りによって如何様にでも結果を変えていくことが出来ます。

自分の実力次第で結果がどうとでもなる、というのは厳しい世界ではありますが、外部要因で結果が決まってしまうという理不尽さが無いのは投資先としてみた際の「会社」という商品の持つ大きな魅力の一つであると言えるでしょう。

 

会社を買うメリット3:他では得られない ”経営者としての経験” を得ることが出来る

会社を購入することによって得られるものの中で、意外と忘れられている非常に重要なものの一つが、”経営者としての経験”です。

会社を購入すると中小企業の経営者となるわけですが、この経営者として奮闘したという経験は何にも変えがたい資産なのです。

 

サラリーマン勤めをしていると、「経営者目線で考えろ」という言葉を耳にしますが、一従業員でありながら実際に経営者目線で物事を考えるというのは無理があります。

企業に雇用をされていて、特定の役割を与えられている状態である一社員が、全てのビジネスのリスクリターンが自らに跳ね返ってくる経営者と同じ発想を持てるわけがないのです。

経営者の本を読んでみても、ビジネススクールに通ってみても、真に経営者としてのスキルを磨くことは出来ません。

 

この点、実際に自ら会社を購入し自ら経営してみることで得られる生きた経験は、あなたのビジネスマンとしての根幹をなすスキルを大幅に向上させてくれるものとなります。

例え購入した会社が結果的に失敗してしまったとしても、一度自らのリスクで会社を経営したという経験によりその後の転職の幅も大きく上がるでしょう。

サラリーマンを続けながら副業として会社経営をしているのであれば、そのまま本職に活かすことが出来ます。

 

実際に自らのリスクリターンで会社を運営する、という行為自体に、非常に高い価値があるのです。

 

会社を購入する際の相場

さて、実際に会社を購入するとなった際に、最も気になるのはその価格ではないでしょうか?

 

ニュースでピックアップされるような大型のM&Aでは、成約価格は100億円を超える金額のものが一般的ですが、実際に個人が買っている会社の価格は500万円から1億円のレンジ内であることがほとんどです。

 

注意すべき点としては、M&A仲介会社に払う費用(100万円から2,000万円程度)が掛かるということでしょう。

 

M&A仲介会社は、費用が掛かるものの購入企業の選定やデューデリジェンス、買収後のサポートなど個人で会社を購入する際には起用することが必要不可欠になる存在ですので、しっかりと良い業者を選定するようにしましょう。

M&A仲介会社については、別途他の記事でまとめておきます。

 

会社を購入するまでの流れ

さて、いざ会社を購入しようと思った場合には、どのような順序となるのでしょうか。

会社を購入するまでの各フェーズの説明と、その際に注意すべき点を見ていきましょう。

 

M&A仲介業者の選定

M&Aは仲介業者、つまりパートナーを選ぶところから始まります。そして、このパートナー選びが全てのプロセスの中で最も重要であると言っても過言ではありません。

どのような企業を提案してくるのか、どのように買収を共に進めてくれるか、買収後にどのようなサポートが得られるかは、業者によって天と地ほどの差があります。

「個人の会社買収」に強みのある、”良い” M&A仲介業者を選ぶようにしましょう。

 

買収先候補の選定

まずは、購入を考えている背景や、想定している価格帯、買収に当たってのスケジュールや買収先企業に求めているものなどをざっくばらんにM&A仲介会社に相談しましょう。

この際、出来る限り自分の考えていることをオープンにお話し頂くことで、その後のマッチングがスムーズに進むようになります。

 

企業名を非公開とした情報資料(ノンネームシート)の提示

ここで、具体的な企業名は出さずに、企業の特徴をまとめた資料、ノンネームシートと呼ばれる情報資料がM&A仲介業者から提示されます。

それを見て、気に入った企業、気になる企業があればその旨を仲介業者に伝えましょう。

 

ネームクリア/企業概要書の提示

M&A業者が売り手企業に買い手の興味を伝え、企業名をオープンにして詳細情報を伝えることがOKとなれば、実際の企業名の開示となります。

 

トップ面談

買い手であるあなたと、売り手企業のオーナーとのトップ面談が設定されます。

ここでは細かな企業のディテールだけを聞くのでなく、売り手企業のオーナーの人柄や、会社経営に当たって大切にしている価値観など定性的なポイントも抑えておくようにしましょう。

買い手と売り手の価値観に、どこか通じるものがあるというのが、企業売買において最後の拠り所となる場合が多いのです。

 

基本合意書の締結

これから具体的な交渉に入っていきます、という確認となる基本合意書を締結します。実際の契約書と違い強い拘束力があるわけではありません。

買い手と売り手が、真剣に考えているのだということを確認するための合意書という立ち位置です。

 

デューデリジェンス

実際に会社を買うとなった場合に、いくらの値をつけるのが妥当なのか、判断を行っていきます。

このデューデリジェンスを通じて、売主側に対しても最終的な価格の落とし所の確認を進めていきます。

 

最終譲渡契約書の締結

金額を初めとする、購入する際の諸条件を盛り込んだ最終契約書を締結します。

売主側が会社の情報に関して意図的に何かしらを隠していた場合に損害賠償を請求できる等々、売買完結後の諸条件についても設定していきます。

 

PMIの実施

PMIとは、ポスト・マージャー・インテグレーションの略で、売買が完結したあとに企業統合をしていくプロセスのことです。

個人での買収の場合にも、経営者が変わったことによる変化に関し様々な調整が必要となってきます。

 

買収後のフォローはM&A仲介会社によって大きくファンクションに差が出るポイントなので、優れたM&A仲介会社を起用することの意味がここでも出てきます。

 

 

以上

今回は、個人が会社を買う意義や、会社価格の相場、会社を実際に購入するまでの流れを説明しました。

繰り返しになりますが「会社の購入」はやり方次第で「人生最高の買い物」になる可能性のある非常に魅力的な選択肢です。

 

少しでも会社の購入に興味のある方は、ぜひ弊社にお問い合わせ頂ければと思います。